有名な評論家が楽天PRC検査キットをボロクソに言っていたので思うところをQ&Aで書いてみる。
YouTubeを見ていたら某有名評論家の方が三木谷さん楽天さんのPCRキットを「ブラック企業がブラック労働をさせるための道具」ぐらいのレベルでディスっていたのでQ&Aでメモしてみます。
取り急ぎ思うことは、「御社は、症状無し陽性の人がいるかもしれないという従業員の不安に対して、どのように考えてらっしゃいますか?」ということですかね。
よくあるQ&A
Q:PCR検査は精度が低いからダメだ。
→かもしれません。もっといいものがあるかもしれません。建設的な代替案をいただけるとありがたいです。
Q:ブラック企業がブラック労働させるために使っている。
→いいえ、違います。従業員にお金をかけないのがブラック企業です。ブラック企業は従業員が安心・安全に働ける環境を作るための投資なんぞ行いません。
Q:検査キットはおもちゃだ!
→歴史のある企業が作成したれっきとした医療品です。もちろん、大手商社の伊藤忠が仕入れたマスクにカビが生えていたりしたのでちゃんとした企業が作ればよいというわけではありません。ただ、最小ロット150万円とからしいです。理科の実験キットや妊娠検査キットと同じイメージだとしたらそれは事実誤認です。
Q:検査でクラスターが発生する。
→かもしれません。しかし、それは検査オペレーションの問題であって検査キットの問題ではありません。
Q:お医者さんが意味が無いと言っていた。
検査には治療と検疫があります。新型コロナは現状では治療法は確立していません。ですので、治療に対しては意味が無いと思います。ですので、治療をする人の立場ならば意味が無いというご意見はあると思います。ですが、例えば院長先生が、症状無し陽性の人がいるかもしれないけど、みんな働いてね!というのはNGでしょう。もちろんPCRが適当かどうかや、コスト的にどうか?は別問題とは思います。
Q:検査結果が擬陽性/偽陰性になるから意味がない。
はい。ただ、それは検査の手法の問題であって、検査自体に意味が無いことにはなりません。事実、感染者数のデータは検査によって作成されています。検査自体に意味が無いというなら、世界の感染者数も又、意味が無いデータになります。
Q:素人が使うのは危険!
→そうだと思います。ですので、余裕のある医師・専門家に依頼しましょう。例えば、美容外科では新ビジネスを開始しています。つまり、新ビジネスができる人員がいるというわけです。適切な報酬で専門家を雇用しましょう。
Q:国難に対してカネ儲けをする楽天はけしからん!
→はい。それは1つの考えです。表現は自由と思います。ただ、楽天も儲けないと潰れます。企業経営者ならご理解いただけるかと思います。遠洋漁業、貨物船、食品工場の責任者の方などには健全なニーズがあると思います。
Q:何の役にも立たない。
→既にしていると思うのですが、国会の食堂の人、首相官邸の従業員、皇宮警察、皇居で働く方などには、国家の危機管理上、現状考えうる最高の検査をしたほうがいいでしょう。また、漁船・貨物船・食品工場などライフライン勤務の方にも同様の検査は必要でしょう。もちろん、それがPCRかどうかはわかりません。症状無し陽性の人に自宅待機をしてもらうために、建設的なご提案をいただけますと幸いです。
なんというか、その方の周りにはヤバいブラック企業の経営者しかいないのか、よっぽど何か嫌なことがあったのでしょうか?
もちろん、経営ですからコストは考えなくてはなりません。しかし、経営者は、従業員が安心安全に働くためにはどうすればいいか?を常に考えています。
症状無し陽性の人がいる以上、症状無し陽性の人を事前に発見し、社内に感染を拡げないようにすることは経営者がやらなくてはならないことです。
ジムを経営してらつしゃるとのことですが、症状無し陽性の方が紛れ込む健康リスクについてどのようにお考えなのでしょうか。経営観を伺いたいところではあります。
もちろん、コスト的にできない。ということはあるかもしれません。ですので、あくまで考え方です。
症状無し陽性なんてしらねーよ。というのは、経営者としてどうかと思います。しかもそれなりに影響力のある方が。
コロナ相手に籠城戦を言う、正しいけれど無責任な人達。
最近よく見るこの図ですが、ようするにコロナ相手に巣ごもり、つまりコロナ相手に籠城戦で勝とう!という戦略だと思うんですよね。
コロナに限った話ではないんですけど、現代ビジネスでも外部環境が激変した時とかはとにかく相手のパワーが尽きるまで耐えるという勝ち方というものは存在します。
ただ、古来より籠城戦をするには定石があって。これらの定石を無視した場合、籠城戦は破綻します。
・定石1:援軍が来るアテがある
コロナでいうなら薬の開発とかでしょうか?確かに、アビガンとかが有効かもしれません。しかし、既にある薬の量産ならスケジュール切れますが、新薬の開発はスケジュールが切れません。
新商品がいつ出来るか?ってわからないでしょ?つまり、現場はいつ来るか分からない援軍を待たないといけないわけです。これは精神的に非常にきついです。
・定石2:籠城に耐えられる十分な量の備蓄がある
当たり前ですが、人間が生きるには食料が必要ですし、戦うならば武器が必要です。感染者1万人の段階で医療現場も経営の現場も限界なんですよね。すでに鳥取城攻防戦です。
・定石3:援軍が来るタイミングの見通しが立っている
十分かどうかは、いつまで?に依ります。備蓄があっても、いつかは必ず尽きます。
勝利のタイミングは人類の多数が抗体を持つかと思いますが20年4月中旬の段階で感染者1万人、対して日本の人口は1.2億人です。1日1万人感染(抗体を持って)して1万200日(約32年)必要です。現実的じゃない数字ですね。
もちろん、人口の100%である必要は無いと思いますが。いずれにせよこのペースでは途方もない時間がかかるわけです。※感染者を増やそうと言っているのではありません。念のため。
ここまで考えると、台風とかなら籠城戦は非常に有効と思いますが、コロナに対しての勝利条件を考えると籠城戦は悪手なんじゃないでしょうかね?
で、私がこれはいかんなぁ。と思うのは、世論がみんな籠城戦を主張してるんですよね。コロナ相手に巣ごもり・自粛の籠城戦って本当に有効ですかね?と言う人が居ないわけです。う~ん。
なんというか、1つの意見だけってダメなんですよ。どんな正しそうなことでも、本当にそれでいいのか?という考えというのは常に持っていないとダメなんですよね。
巣篭もり篭城戦は医療の専門家の意見というのはありますが、それは疫学とかの専門家であって、今は病院の現場マネジメントや一般企業もピンチなんですよね。
だから、政治とかの場所では、疫学の視点だけじゃなくて、総合的に判断しなくてはいけないわけです。
病院だけあっても働く人がダウンしてたらただのハコですし、カネがなかったら何も食べずに野宿なのでコロナの前にカゼで死にますよ。
もちろん、籠城が一番マシな選択肢であるかもしれませんし、ゾンビ映画みたいに特効薬がナイスタイミングで開発されるかもしれません。
でも、特効薬の開発とか、いつかわからないけど籠城戦をしよう!と現場に言うのはちょっと無責任だと思うんですよね。世論がそれ一色で、強烈な同調圧力で現場に負担を強いるってちょっとねぇ。そもそも精神論でなんとかする!というのは、物理的に続かないです。
もちろん、野戦しょうぜ!という意見は感染の専門家の意見ガン無視なわけで、その点では間違っています。
でも、本当にそれでいいのか?と考えることを止めてはいけませんよ。
だから組織人事コンサルは胡散臭く見られる
なんというか、組織人事評価コンサルとかって怪しい人達が跋扈する世界なんですよね。
そもそも論なんですが、組織人事というのは表面の事なので本質的によい会社になるという順番なので、人事評価のパッケージ、セミオーダー商材を導入したことろで本質の部分がガタガタだったらうまくいかないわけです。
結果的に、何の役にも立たない、どころか、従業員の不満ばかり貯まる、従業員が全員離職するようなやばい評価制度を導入しちゃう経営者って、それなりに居ます。やめたほうがいいです。
順番が逆というのは、要するに、会社の目指す方向とか、理念とかが主で、評価制度は従なんです。だから、主である、ようするに根本的によい会社にならないと評価制度って機能しないんですよ。
よい会社になるという手順をすっとばして、表面的な施策を求めているわけで、ゴニョゴニョなんですよね。トヨタだ!かんばん方式だ!とやったところで機能しないわけです。トヨティズムを理解・実践しないとダメなんですわ。
イケてない経営者は、会社の不調の原因を評価制度に求めがちです。いや、そういう場合もあるでしょうがまずはいい会社になることが先です。
イケてない経営者は、会社の成長エンジンを評価制度に求めがちですが、いや、そういう場合もあるでしょうがまずはいい会社になることが先です。
で、そういう邪悪な欲求に付け込んで、怪しい商品を売り込んでくる輩が大勢いるわけなんですね。
もちろん、これは組織人事コンサルに限ったことではなくて、コンサル全般に言えることですね。一部の税務とか一部の法務のように本業から切り離しても成立するものは違うと思いますが、研修・システムとかのパッケージ・セミオーダー商材導入系コンサル全般に言えることです。
繰り返しになるのですが、よい会社になる。というスタート地点から出発しないと意味がありません。
じゃあ、いい会社って何か?というと、やりがい!とか楽しい!とかも重要なんですが、一義的には従業員のリアルな欲求を満たすことです。コレを蔑ろにしてはいけません。
そして、従業員のリアルな欲求は具体的には肩書と給与です。特に男性の場合はこれが重要になります。
もう少し具体的にいうと、肩書は部長以上の肩書が必要です。ポイントなのは実態として部長である必要はなく、肩書として部長以上(部下2名以上)であれば問題ありません。部下はバイトでも問題ありません。
部長以上であることで、奥さんや子どもから尊敬の目で見てもらうことができます。子どもも、僕のお父さんは部長なんだ!と友達に自慢することができますし、奥さんも、うちの夫は会社では部長みたいですよ。オホホホホホと、ご近所さんに自慢することができ、精神的な豊かさを充足することができます。
不健全と一蹴される方もいらっしゃるかと思いますが、現実を無視してはいけません。
もう一つは給与です。具体的には年収600万円。これが必要です。
600万円がどういうラインかというと、総合病院に勤務する看護師の奥さんが夜勤をゴリゴリやってもおそらく到達不可能なラインです。これが重要です。
奥さんが薬剤師とかバリキャリ総合職の旦那さんは、そこにニーズが無いのですが、大抵の旦那さんは給与的な部分で奥さんから尊敬されたいわけです。
ポイントは実態として尊敬されているか?ではなくて旦那さんが尊敬されていると自己認識できるかどうか?が重要です。その具体的な指標としての年収600万円なわけです。ポジティブなセルフイメージを持つための精神的な裏付けとも言えます。
看護師免許を取って総合病院で夜勤をバリバリこなす、というのはガッツさえあれば関係ない学部卒/高卒の専業主婦が一念発起すれば、たぶん何歳からでも可能なキャリアです。
ただ、このキャリアでは600万円はおそらく到達できないラインです。なので、安全地帯な成層圏にいることを自己認識するために600万円必要なわけです。
もちろん、このラインは女性側でも同じで、たとえばシングルマザーでお金が必要というなら、泣きながらでもいいから医療事務をとって大きめの病院の院内託児に預けて働きながら勉強して看護師免許を取ろう!です。お礼奉公とバーターで学費免除の看護学校とか探せばあります。
総合病院で夜勤ゴリゴリやる看護師ならば、私立医学部とかは厳しいかもしれませんが、子どもが奨学金(借金)まみれとかにならずに大学卒業まで問題なく育て上げることができます。
マズローの5段階欲求ではないですが、カネが必要であるという原始的な欲求を満たせないならば、自己実現とか霞食べて生きる仙人なんですわ。
話をまとめると、一義的には、理念とかミッションとかを絵にかいた餅にしないためには、現実的なラインとして部長以上の肩書(部下2名)と年収600万円を提供する。
MLMのお金持ちの生活のように、一部のスターではなく、現実的なラインとして部長以上&年収600万円という待遇を従業員に提供できるように、経営戦略を構築する必要があります。
で、そのために必要なのが従業員との信頼関係で、当然、そういう経営戦略の会社は当然ハードワークになります。これからハードなビジネスを行うぞ!と号令をかけた際に、どうせアンタが儲かるだけでしょ?と従業員に思われてしまったら成立しないわけです。
信頼関係の構築の仕方は色々とあるかと思いますが、1つには約束を守ることです。だから、そして従業員と経営者・管理職が普段から約束を守るところから始めないと厳しいです。
信頼関係、年収600万円、部長以上の肩書(部下2名)といったこれらの根源的な欲求が満たせない経営戦略・ビジネスモデルならばパッケージ化・セミオーダーの評価制度を導入したところで本質的な効果は無いです。
根源的な欲求を満たすために成長ロードマップとしての評価制度が必要なわけで、評価制度が先にあるわけじゃあないんですよね。事実の順番を勘違いしてダメです。
だから、作るべきは評価制度じゃなくて、根源的な欲求を満たすための成長ロードマップであって、これって組織コンサル屋さんの仕事じゃなくて寧ろ会計のプロである税理士さんとかに相談したほうがいいです。
ただ、これは管理会計の範疇でもあるので経営マターです。
人間の根源的な欲求を満たしていないのに、制度設計とかでなんとかしようとするのって本質的にブラック企業なわけで、ブラック企業にはブラックコンサルが集まってくるんですよね。
だから、そういう青い鳥を追い求めちゃをダメです。
現状の新型コロナ施策は破綻してますよね?
新型コロナ関連でよく見るこの図。
ようするにウィルスというのは一度罹患すれば抗体を持つことができるので、医療対応の限界を下回りつつ長期戦で乗り越えましょうという作戦だと思うのですが、無理ですよね?
4月18日の時点でウイルス罹患者は日本国内で1万人。対して日本の人口は1.2億人です。この1万人がのべではなく新規だったとしても、この状況が1.2万日続くわけです。10年で3650日です。ざっくり30年ぐらいですかね?
いや~無理でしょう。既に医療現場は限界です。病床とか設備とかもそうですが、そこで働く人達の体力・精神力が持ちません。
この状況を継続させて人類の多数が抗体を持つまで粘り勝ちしましょう。という戦略は破綻が見えているわけです。
そして、もう1つ破綻しているのが自粛施策です。
自粛施策はつまるところ濃厚接触を避けましょう。という施策なわけです。濃厚接触を避けることで罹患者数の急増を防ぎ、ウィルスに対して持久戦を仕掛けるという施策ですね。要するにさっきの図です。
ただね、濃厚接触をする場所っていうのはレストランとかスポーツジムといった3次産業じゃなくて1次産業2次産業でも濃厚接触なんですよね。
例えば最近の事例だと清水建設の従業員さんが罹患されました。
他にも漁船の漁師さんとか濃厚接触の日々です。3次産業は営業自粛となっていますが、1次産業、2次産業でも濃厚接触があるわけで、濃厚接触を防ぐことは無理なわけですよ。
1次産業が自粛してしまうと、食料が手に入りません。
雑な計算ですが、ようるすに現状の継続という戦略は破綻が見えており、破綻が見えている戦略を継続するということは狂気の沙汰なわけです。
コロナに限らず一般論ですが、時間は無限には存在しなく、そのうち時間の経過によって任意の選択肢を強制的に選ばされます。そして、選ばされた選択肢というのは往々にして最悪の選択肢です。
終息の定義が、多数が抗体を持つこと・特効薬の開発、ならば、医療のキャパ&体力は感染者1万人の段階で既に限界ギリギリなわけで1.2億の人口が抗体を持つまでは絶対に耐えられません。
特効薬の開発が!というのは映画の見過ぎで、それを期待するのは地に足がついていないです。もちろん、それにこしたことは無いですが。
ちょっと答えは無いのですが、
・よく見る図のやり方は無理
※すでに限界ギリギリ、ハコの数というよりも医療従事者の体力が続かない。
・食料の調達でも濃厚接触は避けられない。
※2次産業の清水建設でも営業自粛。
・特効薬の開発は楽観に過ぎる
※薬に限らず、開発の確約は不可能
という現状でしょうか。ネクストアクションのアイデアがあるというわけではないのですが、現状の粘り勝ち戦略は破綻が見えているということを認識し、別な手を考えていかないとマジでヤバイですよ。という感じです。
新型コロナ禍の中でビジネスパーソンや経営者が絶対しなくてはならない判断
経営者が絶対にしなくてはならない仕事の一つに中長期での市場動向判断があります。簡単な言葉でいうと未来予測です。
現在の経済を取り巻く問題は、資金繰りなど山積していますが、今回のコロナ禍の問題で、おそらく一番行わなくてならない判断は、この経済停滞はいつまで続くのか?という判断です。
非常事態宣言はGW明けまでとのことですが、そこでスパッとおわり、今までの日常が来るのか?それとも長期でこの状況が継続するのか?武漢では都市封鎖が解除されましたが再発になる可能性もあります。ので。完璧な予測は不可能です。
もちろん、そもそも、コロナに限らず完璧な未来予測は誰にも不可能です。
仕事の本質は情報が不足している中で正しい判断をすることです。例えば、110と120、どちらが大きいですか?という判断をすることは仕事ではありません。
※余談ですが、全ての情報が揃うまで待つ場合は、ほぼ必ず時間切れになります。
例えば、もし、中長期でこの状況が継続するという判断なら、従業員を雇い続ける、というか現在のビジネスを続けてはなりません。早めに撤退をする、しか選択肢はありません。
どれほど大きい企業であっても宙ぶらりんの状態で耐えることはできません。
また、売上が立たないのに従業員を雇用することは、中長期的には従業員にとってもデメリットです。売上は世の中に必要とされているから発生するものなので、世の中に必要とされないことに人生を費やすことになるからです。
従業員の持つ時間という資産を世の中に必要とされていないことに費やさせることは決して良い経営判断ではありません。
確かに、経営者の判断ミスで従業員を解雇する企業はブラックですが、経営者の判断と整合性が取れない経営判断もまたブラックです。
そのため、もしコロナ禍が中長期で続くという経営判断にも関わらず従業員を雇用し続ける企業は決してホワイト企業ではありません。
もちろん、いまいるメンバーで何か違うことをやろうとかならOKと思いますが、それならばそういう動きをかける必要があります。
飲食店が宅配やウーバーを始めたというニュースはTVなどでよく放映されていますが、あくまで補助的な要素かと思います。メインに据えるならリアルな店舗が重荷になります。
長くなりましたが、つまり現在の経営判断が、コロナは短期、せいぜい5月にはスパッと終わるという経営判断なのか、長期、1年ぐらい、以上続くといえ判断なのか?という経営判断に基き具体的なアクションをすることが大切になります。
自分の判断ミスで従業員を解雇する経営者はイケていませんが、楽観、達観で何も考えず給与を払い続ける経営者もまたイケていません。
ANAや日産という大企業でも緊急融資を申し入れています。大企業なら大丈夫ということはありません。
そして、ここまでのことは経営者に限らず、全ての働く人が自分という会社を経営している以上、この判断は全ての働く人が考えなくてはなりません。
本質論の話をすると、大切なのは、従業員を解雇しないことでもなく、会社を潰さないことでもなく、未来がどうなるか?の予測に基き、その未来と整合性のある手を打つことです。
短期や緊急なら生活費の借金はありかもしれません。しかし、中長期で生活費を借金で賄うのはそもそも不可能です。不可能なことを行うことは良くないことですし、他者(例えば従業員)を巻き込むのはブラックな行為です。
もし、中長期に禍が続くという判断ならば借金をしてでも従業員の生活を守るというのは決してよい経営者ではありません。
お相撲さんのネクストキャリアってめちゃくちゃ大変
普通に学校に行って、普通に就職するとあんまり出会うことすらない世界ではあるんですが、アスリート&アーティストを目指していますという人って、人数としてはかなりの数が存在します。
通常の人生・キャリアを歩んでいる人の場合、大体、中学卒業ぐらいの段階で分断されるので、リアルな実感が難しいんですよね。
HR分野でのジャンルとしてはアスリートの引退後のキャリアというジャンルです。野球とかはグラゼニとかでも描かれていたりしますが、笑い事とかではなく、かなり深刻な問題だったりします。
普通の人がTVで見るのはアスリートピラミッドの本当に上だけなのですが、人生をかけて頂上を目指しても圧倒的大多数はプロとして生活できるレベルになることはできません。
コロナ禍の現在、いま流行りの不要不急ではありますが、この状況ではアートやスポーツは趣味で行うものであり、プロを目指すという行為は、一部のお金持ちがだけがやるものになってしまいます。
特にお相撲さんの場合、引退が早く、不可逆な怪我、またカラダのサイズが特大なため他のジャンルよりも遥かに普通の社会に戻りにくいです。
あとバレエやダンスや他の格闘技とかと違ってレッスンプロのマーケットも激狭です。すもうスクールとか無いですね。
どの世界でもそうですが、裾野が広いほど頂上は高くなります。健康、怪我のリスクを抱えて、さらに引退後のリスクまで抱えている事実を見ないフリをして、日本人横綱が〜とか言っている人は相当やばいです。
もちろん、お相撲などというものは不要不急のものですので、知ったことか!と言う論はあるでしょう。しかし、現実問題として指導者やタレントとして業界に残れない圧倒的多数の人にとってネクストキャリアの選択肢は多くありません。
もちろん、他の競技全般に言えますが、この状況は笑い事ではなく深刻な問題です。
不要不急の仕事に就いたのだから自己責任!と切って捨てるのは簡単ですがだったら日本人横綱が〜とか言っちゃあダメですし、そのリスクをモンゴルとかの若者に背負わせるのも無責任に過ぎます。
五輪は延期になりましたが、頂上に立つ人達の下には猛烈な数の夢破れた人達がおり、その人達が不健全なレベルのリスクを背負わされている、という事実は認識しておかないとなりません。
※もちろん、この状況はアーティスト系全般に言えることと思いますがアスリートは引退後が長く、日常に支障をきたすレベルの怪我もあります。
ようするに現状では、アーティストもアスリートも、プロを目指せるのは資産家のお家の子だけであり、それはあまり健全な社会ではないんじゃないでしょうか?と。
もちろん、なんちゃってバンドマンとかは自己責任でいいかもしれません。だから、全ては個別で考える必要はありますが、いずれにせよ、アーティストと異なり、アスリートは引退&怪我でかなり不健全に職業リスクを抱えています。
国の支援って強化選手だけなんですよね。少なくとも引退後の真っ当なネクストキャリアがもっと沢山存在しなければ、資産家のご子息しか頂上を目指せなくなります。
これってどうなの?と。
中学卒業ぐらいで強化選手なりで分断されてしまうからこそ、そういった事実を知ることと、あと、
体育大生って、人材市場で強い人材なんですよね。企業さん、ピチピチの新卒ではないですが、同じようなセグメントの学生っていますよ!と。
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社員に経営者視点を持てと言っても意味ないどころか害悪ですよ。という話。
ここは、昔の勤務先の社長の受け売りなんですが、ビジネスパーソンというか社会に生きる人は全員が自分株式会社の経営者なんですね。
なので、その意味では経営者意識を持つことというのは正しいです。
ただ、経営者が経営者意識を持て!と言ってしまうのって、ただのブラック企業なんですよね。ブラック企業じゃないかもしれませんが、ブラック偏差値がかなり高めです。
これを言う経営者って、大抵、給与は払いたくない、長時間労働はさせたい。という発想なんですよ。
昔のすき家さんはまさに、アルバイト全員を業務委託、つまり「経営者」にしました。他にも、昔のマクドナルドの名ばかり店長などなど、例は沢山あります。
ただ、すき家もマクドナルドもその路線で失敗していますよね。今はすき家さんもマクドナルドさんも復活していますが。要するに成功しないんです。
成功しない理由は色々とあると思うのですが、例えばこの発想のイケてないところは、経営者の仕事は「何をするかを判断すること」であり、従業員の仕事というのは「業務命令をこなすこと」です。というのに気が付いていないことだと思うんですよ。
もちろん、従業員は、その範囲の中で、細かい判断をする必要がありますが、経営者には誰も命令を出してはくれません。
※株主に解任される可能性はあります。
要するに、経営者視点って、仕事の全てに対して何をするかを自分で決める、ということなので経営者視点を持った従業員は「その業務命令はしません」と言っていいことになります。
業務命令は黙って聞け、でも、全てを自分で考えろって無理です。矛盾した命令を受けると精神を病みます。
もちろん、世界が矛盾に満ちていることは許容する必要がありますが、このレベルで矛盾があると、精神にバグが発生しますね。心理学用語ではダブルバインドというらしいです。
もちろん、最初の通り、自分株式会社の経営者、という意識ならアリかと思います。自分の市場価値を上げるために働く、という視点ですね。これは正しいと思います。
ただし、その場合は自社の従業員・経営者ではなく、あくまで自分株式会社の経営者になっちゃいますね。
コスト意識を持って、とか、生産性を高めるにはどうすればいいかを考えながら、とかなら可能ですが、経営者視点って矛盾するので無理ですね。
経営者さんから従業員には経営者意識を持ってほしい、とご相談を頂くことって多いですが、そりゃ無理です。仕事の内容が違いますから。
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