社員に経営者視点を持てと言っても意味ないどころか害悪ですよ。という話。
ここは、昔の勤務先の社長の受け売りなんですが、ビジネスパーソンというか社会に生きる人は全員が自分株式会社の経営者なんですね。
なので、その意味では経営者意識を持つことというのは正しいです。
ただ、経営者が経営者意識を持て!と言ってしまうのって、ただのブラック企業なんですよね。ブラック企業じゃないかもしれませんが、ブラック偏差値がかなり高めです。
これを言う経営者って、大抵、給与は払いたくない、長時間労働はさせたい。という発想なんですよ。
昔のすき家さんはまさに、アルバイト全員を業務委託、つまり「経営者」にしました。他にも、昔のマクドナルドの名ばかり店長などなど、例は沢山あります。
ただ、すき家もマクドナルドもその路線で失敗していますよね。今はすき家さんもマクドナルドさんも復活していますが。要するに成功しないんです。
成功しない理由は色々とあると思うのですが、例えばこの発想のイケてないところは、経営者の仕事は「何をするかを判断すること」であり、従業員の仕事というのは「業務命令をこなすこと」です。というのに気が付いていないことだと思うんですよ。
もちろん、従業員は、その範囲の中で、細かい判断をする必要がありますが、経営者には誰も命令を出してはくれません。
※株主に解任される可能性はあります。
要するに、経営者視点って、仕事の全てに対して何をするかを自分で決める、ということなので経営者視点を持った従業員は「その業務命令はしません」と言っていいことになります。
業務命令は黙って聞け、でも、全てを自分で考えろって無理です。矛盾した命令を受けると精神を病みます。
もちろん、世界が矛盾に満ちていることは許容する必要がありますが、このレベルで矛盾があると、精神にバグが発生しますね。心理学用語ではダブルバインドというらしいです。
もちろん、最初の通り、自分株式会社の経営者、という意識ならアリかと思います。自分の市場価値を上げるために働く、という視点ですね。これは正しいと思います。
ただし、その場合は自社の従業員・経営者ではなく、あくまで自分株式会社の経営者になっちゃいますね。
コスト意識を持って、とか、生産性を高めるにはどうすればいいかを考えながら、とかなら可能ですが、経営者視点って矛盾するので無理ですね。
経営者さんから従業員には経営者意識を持ってほしい、とご相談を頂くことって多いですが、そりゃ無理です。仕事の内容が違いますから。
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